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 反ブッシュイズム〈3〉世界は後戻りできない (岩波ブックレット)
反ブッシュイズム〈3〉世界は後戻りできない (岩波ブックレット)
 
¥ 609
発売日:2004-09
岩波書店
オススメ度:
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■  金子勝という人
最近は同じ左派からも(稲葉氏)その学問的誠実性を疑われる(政治性?)金子氏がかかわっている本。氏の反グローバリズムや反経済学で目からウロコだった読者としては少々嘆かわしい。アメリカ大メディアの力のおかげで作られたさまざまな「情報」だけがソースである。
米政権に関しては宗教だけが要因とされたり石油だけが要因とされたり情報が相互に矛盾しているのだが、大メディアの影響下の国家においては、その相互矛盾がなぜか補完しあいつつ、放置される。その好見本か。
とはいえなかなか読まれない本であることも事実なので、未来における社会史家の貴重な資料にはなるかもしれない。

■  先祖返り
大新聞の伝えない史実、その一。
イラクの大部分がゲリラ勢力その他武装グループの支配下にあるため、
ジャーナリストの殆どがバグダッドはおろか、ホテルの部屋から離れることはないのだ・・・(ロバート・フィスク 2004・7・16)

イラク暫定政府首相アラウィはかつて、ロンドンでバース党の殺し屋だった・・・ミシガン大学教授ホアン・コール(中東史の専門家)
ゲリラ容疑者6名をアラウィが短銃で射殺したのは、主権移譲されるほんの数日前のことである・・・シドニー・モーニング・ヘラルド(2004・7・16)
記憶しましょう!アラウィとは、暗殺を生業として欧米の石油利権者の支持を背景にのし上がった独裁者フセインへの先祖返りであることを・・・

セキュリティに関する不安を利用した警察監視体制の推進と共に、
リヴァイアサン(国家)に迎合する風潮が大新聞を中心に鼓舞されているのは、日米で共通だが、
とりわけ、米国で進展中の「刑務所の民営化」と当局に批判的な研究者に対する「学問の監視」が気がかりである。

利権者のロビー活動の結果、受刑率が急増中(受刑者の数 ∝ 利益)の米国では、
受刑者に対する虐待は市場原理にのっとった効率的経営上、日常茶飯のことであり、アブグレイブ刑務所拷問事件のルーツとなっている。
一方、故エドワード・サイードの「ポスト・コロニアル」の如く、反米主義を煽ると当局に見なされた研究は、
「国際高等研究諮問委員会」の監視下で、研究費を締め上げられることになるそうである。

「現実であれ想像上のものであれ、自由の喪失は、海外からの脅威のせいにされるのが普遍的な真実だ」
ブッシュが建国の本義に先祖返りすることをこそ切に願っているが、本来マス・メディアが果たすべき仕事を
多忙な研究者の善意に寄りかかってしか得られない現状は嘆かわしい・・・


 
 
 
 
  
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