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満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書) 

  
 
 「自由主義史観」批判―自国史認識について考える (岩波ブックレット (No.505))
「自由主義史観」批判―自国史認識について考える (岩波ブックレット (No.505))
 
¥ 462
発売日:2000-04
岩波書店
オススメ度:
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■  碩学の貴重な遺産。批判者だけでなく、「つくる会」支持者も一読されよ!
著者は昨年(2004年)逝去された。故に「つくる会」教科書の新版はご存じないし、そもそも初版の発行以前に西尾幹二氏の大著『国民の歴史』を批判の対象とした書だ。著者も指摘されている通り「自由主義史観」を称する人々には各々違いがある。実際に一部は離れた。
が、本書を読み直し「つくる会」教科書の記述を見れば、本書の意義は全くと言って良いほど現在も有効である。著者にはもっと直接的な批判書もあるが、本書は何と言ってもコンパクト。批判する側は勿論だが、むしろ「つくる会」教科書を面白くお読みになった方に是非一読願いたい。本書はあなたがたの寄り立つ「位置」を教えてくれるし、さらに本書に反論できる方は是非お考えをレヴューに書いていただきたい。

著者の専門は「日本中世史」だが、日本通史のみならず東アジア史に関する知識は素晴らしいもので、「歴史学者」として非常に優れた方である。
いや、敗戦で「歴史が書き変えられる」のを身をもって体験し戦後の歴史学を築いた著者と同年代の歴史学者の多くが専門に閉じこもることは出来なかった。結果的にこの世代の研究成果の殆どは40年ほどたった今でも各分野での「基本文献」の地位を失っていないようだ。
著者はその上に「家永裁判」に関与し、晩年には「歴史学史」への関心を深められた。ゆえに、本書は「つくる会」の批判に留まらない。

まず、戦後の「歴史」のなかで自国史に対する認識の二極化が起きたこと、その延長線上での「つくる会」の誕生を明快に説明する。その上で、「考えの異なる」者への寛容を説きながら、西尾氏の著書・歴史観を厳しく批判する。

一般書店の「新刊重視」はますますひどくなり、書店で本書を見る機会はまずなかろう。が、ネット書店は違う。多くの方に一読をお薦めする。

なお最近お隣りの韓国でも「自虐史観」批判がなされている。歴史家は予言者ではないが、本書を読めばそれも理解できる。本書の優秀の証である。


■  教科書批判のために
西尾幹二著「国民の歴史」と藤岡信勝らの「自由主義史観」グループへの歴史学の立場からの批判をしたテキストである。本来歴史観というのは自由に立場を越えた討議の中でその時代自体の健全な歴史観が育つ種類ものであって、どの歴史観がいいとか悪いとか一概に言えるものではない。マルクス主義史観のもとでは、たとえば丸山真男の「歴史意識の古層」論はなかなか承服しがたい議論ではあるだろう。しかしその議論は健全な議論が成り立つ土俵がある。しかし、「歴史は物語だ」「歴史は科学とは言えない」といわれては、それは社会科学的に間違っているといわざるえない。「国民の歴史」はその根本のところから間違っている。そこからたとえば、縄文時代から「日本人」がいたという非科学的な叙述が出てくる!のだろう。

この本は去年の四月に刊行されたが、今年の四月彼らのグループはひとつの歴史教科書の検定を通過させた。それは単なる学問上の問題ではなく、このブックレットの最初で言っているように、充分国際問題である。新しい教科書の内容を私は知らない。しかし、その教科書がどういう土壌の中から生まれたのかはこのテキストの中で必要十分に語られているだろう。まだ新しい教科書を批判するブックレットの刊行には時間がかかるだろうから、この本はそれまでの予備学習としてうってつけだろうと思う。


■  歴史を正しく認識するために
扶桑社の歴史教科書が国際問題となっている。これは西尾幹二氏らを中心とした「新しい歴史教科書をつくる会」が自分たちのいわゆる「自由主義史観」にもとづいて制作したものであるのはご存じの通りだ。最近の不景気を反映してか、太平洋戦争当時の侵略行為を正当化したり、教育勅語を美化した彼らの主張が、自民党などの保守勢力の後押しを得て勢いを増しているようだ。  では、なぜ彼らはそのような主張をするのか、その主張のなにが問題なのか。ニュースを聴いたり新聞を読んだりしただけではいまいちよく分からない、そういう人も多いだろう。

筆者は歴史学者の立場から彼らの主張の問題点を取り上げて検討し、どこに問題がひそんでいるのかを解説している。そして、彼らの主張が国際的にも通用しないことを看破している。  彼らの考えに納得できないが、その理由をなかなか見つけられなくてすっきりしない、そんな人たちにぜひ読んで欲しい。


 
 
 
 
  
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