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茜雲 総集編―日航機御巣鷹山墜落事故遺族の二〇年 
戦争と罪責 
この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人 
墜落現場 遺された人たち―御巣鷹山、日航機123便の真実 (講談社プラスアルファ文庫) 
背後にある思考 

  
 
 喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究
喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究
 
¥ 3,360
発売日:1992-01
岩波書店
オススメ度:
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■  途上という稀有なる思考
いかがわしいユング派の御託とか、スピリチュアル寸前の精神分析などはどうでも良い。
本書に手柄があるとすれば、個として生きる人間が、それでもまわりにかけがえのない他者をもち、その喪失に遭遇して、世界も理念も哲学も全て失いそうになりながら、「しかし」と踏みとどまろうとする儚さ健気さを描けているからである。
もう15年も前の本だが、ここまで悲惨や慟哭と戦いながら、それでも思考停止しない書物は現今皆無なのであり、死や病いやをネタに、涙腺だけで勝負する本が多すぎるという深い溜息をついてしまう。途上という思考=プロセスの喪失こそ、現代の一典型的光景か。

■  私たちに必要なのは世界の「物語」
家族や愛する人を全く突然にこの世から奪い去っていく事故。誰しも自分にふりかかるとは思っていない惨事にいざ遭遇した時に、ひとはどのようにふるまい、どのように考え、どのように変化し、どのようにそれを受け入れていくのだろうか。精神医である著者が時間をかけて遺族に接する過程から生み出されたこの記録には、いまだ書かれたことのない人間の真実があります。胸がつまり、時に息苦しくなるほどの切迫感を持った数々の惜別のさまが遺族の日記や聞き取りから溢れてきます。専門用語や理論はその豊富な実例のなかから自然に浮かびあがるように記されていて、この分野の門外漢でも全く違和感を感じずに読むことができます。私はこの本を読んで、心理学者の河合隼雄氏のおっしゃるところの「物語」という意味が納得できた気がします。私たちが愛する家族を失った時に必要なのは、事故の事実関係よりもむしろ、「どうして私の○○が死ななければいけなかったのか」という意味を自分で納得できるための物語なのでしょう。この本には、長期にわたるその切実な「物語づくり」の実例が豊富に記されています。

ただ、ルポルタージュではないため、日航など事故の加害者(?)側の姿は遺族の目を通したものばかりですから、その点は読者にも注意が必要かも知れません。


 
 
 
 
  
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